ローレンツの収縮は間違いだとこのブログ記事で主張します。その根拠を示します。
ローレンツ=フィッツジェラルドの収縮仮説が広く認知された120年前の当時の論理展開で示して間違いを指摘します。 *1,*2)
今回の記事は前編です。120年前の当時に光速に関わるどのようような実験や思考があったから分かり易く説明します。
後編の記事では120年前の実験で本当に見えた事実を掘り起こしていきます。
これが本当の記事のゴールに当たります。
ウィキペディア
ウィキペディアにマイケルソン・モーリーの実験が詳しく説明されています。*3, 4),5)
ローレンツ収縮の仮説が認知された
そのマイケルソン・モーリーの実験とそれを取り巻く一連の実験からローレンツ=フィッツジェラルド収縮の仮説が広く認知されるようななった経過がウィキペディアで解説されています。
背後に隠れている本質
ウィキペディアの説明だけでは背後に隠れている本質的な事をあぶり出すことが難しいです。
それでウィキペディアの説明を元にして、私の言葉と現状の図の加工と図の追加します。
それによってマイケルソン・モーリーの実験からローレンツ=フィッツジェラルド収縮の仮説が認知に至った経過を出来る限り分かり易く説明します。
前振り
そして同時に一連の実験の背後に隠れていた事実を明らかにします。 それが今回のブログ記事の一番の目的です。 ウィキペディアの内容の解説は結論記事を書くための前振りになります。
今回の記事はその前振りの前編です。
120年前のエーテルの概念(エーテルの風)
今から120年前は真空中のエーテルの存在の有無が大きな科学の論点でした。
下図Fig.1は同時考えられていたエーテルの概念です。
地球の周りの真空中にはエーテルをいう風のようなものが吹いている。
光の速度はそのエーテル風の影響を受けて速度が変わる。
地球の自転を考えると12時間ごとにエーテルに対して向かい風になる時と追い風になる時があります。 すると光の速度に違いが出ます。
また太陽を巡る地球の公転によって季節ごとにエーテル風の影響が違う。
それで季節ごと光速が違うのでそれを測定しよう。
しかし精度よく光速を測定する方法がなかった。
エーテルの存在を実験で確かめる測定法を確立したのが、マイケルソン・モーリーです。
光速度が変われば光の干渉縞のズレが出来る
光速度が変われば光の干渉縞のズレができます。 その干渉縞のズレの大きさから光の速度の差が求まるというのがマイケルソン・モーリーの実験です。 *3),4),5)
下図Fig.2がそのマイケルソン・モーリーの実験をレーザシステムで現代風に表現したものです。
プリズム
1つの光源からの光をプリズムで2つの経路に分けます。緑と茶の線で示してあります。
最後にまた同じ経路に導きます。 デテクターに向かう黒い線で示してあります。
緑線はエーテル風に対して1次的に向かい風になり、その後追い風になってプリズムに至ります。 エーテル風の影響はキャンセルされると予想されます。
対して茶の光の経路は プリズム -> ミラー -> プリズム の間はエーテル風を横に受けることになります。 エーテルの風の影響度が光の速度に現れるはずです。
それでデテクターに干渉縞のズレができるはずと言うのがマイケルソン・モーリーの実験の現代的な解釈です。
マイケルソン・モーリーの実験の結果
実験の結果は干渉縞のズレありましたが、そのズレが小さく光速度の差が期待して値よりも小さかった。
エーテルの存在は証明できませんでした。
測定された干渉縞のズレは、実験の誤差の扱いにされました。
サニャックの実験
下図Fig.3です。 サニャックの実験の概念は、回転する円盤の上にマイケルソン・モーリーの実験の装置一式を乗せたものです。*6)
マイケルソン・モーリーの実験でエーテルが証明できなかった。干渉縞のズレが小さく、光速度にエーテルの影響を認めらなかった。 回転する円盤上でも同じ結果が期待されました。
実験の結果
光速度に差がなく干渉縞のズレができないと予想されていましたが、結果は光の速度変化が明確に分かるほどの干渉縞のズレができました。
Fig.3 サニャックの実験の概要 |
ローレンツ収縮仮説の登場
サニャックの実験ではエーテルが存在しないはずが、干渉縞のズレができました。
それで干渉縞のズレができた理由を皆が知りたがった。
そこで登場したのが、ローレンツ変換=フィッツジェラルドの収縮の仮説です。
ローレンツ=フィッツジェラルドの収縮の仮説
ウィキペディアから引用すると
この問題に対する説明は、ローレンツ=フィッツジェラルドの収縮仮説、あるいは長さの収縮と呼ばれる仮説により与えられた。この仮説によれば、全ての物体は、運動のエーテルに対する相対的な向きに沿って縮むのである。そのため、エーテルの風により光の速さが変わっても、ちょうどそれを打ち消すように長さが変化するので、干渉縞のずれは生じないのである。
ローレンツ=フィッツジェラルド収縮仮説は、
1)エーテルがあっても光速は変わらない
2)それはエーテル風向きと逆のほうに相対的な距離が縮むと言っています。
光の方向がエーテル風に対して
1)追い風であれば距離が伸びる。
2)向かい風であれば距離が縮む
荒い論理展開と無理くり
距離が伸びる時と距離が縮む時
回転する速度によって距離が変わったと理解した。 円盤は回転しているので、エーテル風があるとすると距離が伸びる時と距離が縮む時があります。
エーテルが無く光速が変わったので、距離が縮む方だけに着目して距離が伸びる方は無視してローレンツ=フィッツジェラルド収縮仮説を無理くりにサニャックの実験の説明に押し込んだ。
ウィキペディアから論理展開の結論を引用すると
特殊相対性理論の根幹を成す、長さの収縮と時間の遅れの二つの仮説が正しいことの証拠であると考えられる。
ポイントは距離が伸びる方は無視しています。
ローレンツ=フィッツジェラルド収縮がこれで広く認知されて続くアインシュタインの特殊相対性理論に繋がります。
神はサイを振らない
ローレンツ=フィッツジェラルド収縮が物理界に広く認知される時に、都合の悪い距離が伸びる方は無視して都合のいい面だけを取り入れました。アインシュタインも同じ
これはアインシュタインも同様のことを行っています。 彼の光の電車の思考実験で同じように、距離が延びる方は無視して、距離が縮む方だけを取り入れて、特殊相対理論に突き進みました。このいきさつは私の過去のブログ記事で明確にしております。詳しくはその以下のURLのブログ記事を読んで下さい。
物理界は神様の集団でなく人間の集団
120年前の偉大な物理学者や物理学界も神様の集団でなく人間の集団でした。赤信号みんなで渡れば怖くない。
それで神はサイを振らないで、人がサイを振りました。
その結果、特殊相対性理論が生まれました。
ここまでが長い前振りでしてた。
ローレンツ=フィッツジェラルド収縮が広く認知されるまでの経緯を分かり易く説明しました。 長い前振りの前編が終わりました。
後編では、マイケルソン・モーリーの実験とサニャックの実験で本当に何が見えたを説明します。 そしてローレンツ=フィッツジェラルド収縮はないと根拠を示して主張します。
資料
1)ローレンツ収縮 Lorentz length contraction wikiから
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C
2)ローレンツ変換
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%84%E5%A4%89%E6%8F%9B
3)マイケルソン・モーリーの実験1
https://en.wikipedia.org/wiki/Michelson%E2%80%93Morley_experiment
4)マイケルソン・モーリーの実験2
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%AE%9F%E9%A8%93
5)マイケルソン・モーレーの実験からローレンツ変換へ
山田盛夫 - 物理教育, 1971 - jstage.jst.go.jp
1971 年 19 巻 1 号 p. 8-11
DOI https://doi.org/10.20653/pesj.19.1_8
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pesj/19/1/19_KJ00005893602/_article/-char/ja/
6)サニャック効果
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%8B%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E5%8A%B9%E6%9E%9C
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